やまがたの桃とサクランボ

山形と果物

東北地方の南部、日本海側に位置する山形県は、庄内、最上、村山、置賜の4地域にわけられ、それぞれに風土や文化が異なり、育つ作物にも食べる習慣にも違いが見られるといわれています。

フルーツ共和国やまがた

フルーツ王国を名乗り、日本はもとより海外にも目を向けたPR活動に力を注ぐ山形県。直近の都道府県別収穫量割合を見れば、サクランボは75%を占め、10%の北海道を大きく引き離しています。がんばりました。ラ・フランスが有名な西洋梨もトップで67%、ブドウもデラウェアに限れば日本一。スイカやスモモも上位です。桃は8%ほどですが、山梨、福島、長野に次ぐ4位。リンゴや柿、メロンなどの産地でもあり、まさに王国と称するにふさわしい華やかさと言えるでしょう。なんですが、フルーツ王国といえば、やっぱり山梨じゃないですか? イメージ的に。あるいはリンゴの青森とか、ミカンの和歌山とか。山形じゃないんだよなあ。

香川のうどん県に倣ってなのか、ラーメン県そば王国をも名乗っている山形県。せっそうがない。王国にしたがるのも悪いくせです。とはいえ、このなりふり構わぬごった煮感、芋煮会のシメにラーメンでもそばでもなくカレーうどんを楽しむ芋煮感が、山形の良さなのかもしれませんよ。

ひとくちに山形ラーメンといっても、酒田のワンタン、新庄のとりもつ、長井の馬肉、赤湯の辛みそ、米沢のほそ縮れ麺、そば店のラーメンに冷やしラーメンなどがあり、地域や店舗ごとに異なり、賑やかなのが特徴です。フルーツもそう。庄内柿に刈屋梨に尾花沢スイカ。ミカンやトロピカルフルーツを作るのはまだ難しいけれども、キウイフルーツは小規模ながら産地化しています。マイナーどころでいえば、果皮に肉詰めするアケビは秋の味覚の定番で、ねっとり甘いポポーは直売所のレアキャラ。桃だけ見ても、じつにたくさんの種類があり、当園は、ネクタリンを含めると9種類にのぼります。まわりの桃農家も似たようなものです。県外の市場関係者によると、山梨や福島などにくらべると、山形の桃は知名度が低く、格別に甘いとかおいしいとか褒められたものでもない。でも、あれこれ植えてちまちま作って、とくに8月以降に採れる晩生種にいろんな桃がある。それが良し悪し両方の評価につながっているという。バラエティに富んでいるけど、それぞれ量が少ないので扱いづらい。やっぱり、王国ではないんですよ。どちらかといえば、共和国とか合衆国とかじゃないですか? イメージ的に。🍒

スモモのおすすめ品種は秋さやか。完熟したものは全フルーツの中でいちばんおいしいと思う/ポポーはバナナと一緒で熟すと果皮が黒ずんで見た目が悪くなる。香りと甘みが増した証拠だ/手間のかかるブドウに代わってキウイフルーツ栽培がはじまったという。山形でキウイの旬は真冬になる